神様も愛した…神々の草「マコモ」

「マコモ」という植物を知っていますか?

昔から、出雲大社の神事や医療の分野まで幅広く活用され、その歴史は稲作文化よりも古いと言われています。

神様も愛でたイネ科の植物「マコモ」は雲南市山王寺の棚田で。守り神のように植えられています。

ではマコモについて紹介していきます。

マコモとマコモタケ

マコモはイネ科の多年草です。水のあるところに生えます。マコモは排毒のチカラがあり、水や自然を浄化する力を持つ稲科の植物です。1年で2メートルにも成長する生命力を持ち、古くは日本の河川や湿田などに自生したそうです。

マコモはマコモタケとして食材になります。マコモタケとはマコモの茎の根元がたけのこのように肥大化したものです。黒穂菌(クロボキン)に感染した部分が膨らんでいきます。マコモ黒穂菌は人々にとっては良い方向に働きます。ヨーグルトやきのこと同じですね。

聖なる植物、マコモ

出雲大社では毎年6月1日に「涼殿際」が執り行われます。この神事は「真菰(まこも)神事」とも言われています。夏のはじめに山の神様を向える祭事です。この日、出雲大社の裏にそびえる八雲山から神様が降りてきます。神様は地面を歩けません。そこで、立石の間に真菰が敷かれます。神様はマコモの上を歩いて、鳥居や御手洗井へ移動します。
涼殿祭で使われる、マコモは出雲大社の神官が出雲の河原で調達します。
出雲大社は大しめ縄で有名ですが、本殿のしめ縄には真菰が使われています。このように、マコモと神様は結びつきが強く、出雲地方にはなくてはならない植物なのです。

マコモと民草

マコモは神様でけではなく、古来の日本の暮らしに寄り添っていました。
その歴史は古く、縄文時代中期の遺跡からも発掘されています。お米より以前から食されていました。平安時代初期の最古の薬物書にもマコモは登場しています。食物として漢方として、民芸品へ装飾品として心身と整えるためにマコモは使われてきた、日本人には切ってもきれない縁のある植物です。

マコモと健康

マコモは、心臓、肺臓、脾臓、肝臓の五臓の機能を高めると言われ、生きる力を高める役割を果たしてきたと思われます。

マコモの健康機能

  • 抗酸化作用
  • (ベーターカロテンは人参の3.5倍)

  • 利尿作用
  • 食べれる黒穂菌

マコモの浄化力

水質浄化のためにマコモが有効であるのは、昔から知られています。水だけではなく血液も浄化してくれます。マコモが置かれた空間が気持ちがいいと感じるのは、マイナスイオンを発生する森林浴や滝のぞばと同じ効果なのかもしれません。

神事や仏事にマコモが使われていたことから、場を浄化する力もあるのでしょう。場の浄化作用は人々を惹きつけける力となり、水脈は縁脈となりマコモは縁を繋いでくれるのでしょう。

山王寺のマコモ

全国棚田百選にも選ばれた、雲南市大東町の山王寺の棚田では、マコモはイネの守り神のように取水口に植えられています。水質を浄化するためです。
マコモ茶やマコモパウダーなどに加工し、マコモを食すことができるカフェもあります。
山王寺のマコモは八重垣神社にも奉納されていいます。

お知らせ

マコモタケの収穫体験とランチ会
日時:2017年 9月27日と10月12日
10時30分〜13時
場所:冒険の森てんば(島根県雲南市大東町山王寺551番地)
参加費:1500円
申し込み:https://www.facebook.com/events/1748570418779645/?fref=ts